福井大学の公開講座(「知能」最前線 第1回目)に行ってきた。

なんかおもしろそうだったので、近くの大学でやってた公開講座に行ってきた。

会場の前に、なんか知ってるような顔があると思ったら、福井高専の先生で、
研究室の学生を引き連れて公開講座を聞きにきていたようだ。
受講者数は、20名だったが、
内訳は、高校生3名程、高専生(+先生)4名、残りはおじさん方だった。

講座は、10:00から12:00(予定)の2時間で、
前半は、講義。後半は、研究室見学だった。



「知能」最前線
第1回目 生体における知能 まとめ
講演者は、福井大学工学部知能情報システム工学科生体システム講座、池田弘さん。

(機械と違い)生体の知能は、融通がきき柔軟である。
これは、生体の神経回路が柔軟、つまり時々刻々と変化するから。
→これを神経可塑性という。

神経可塑性には、
1 シナプス結合の強さの変化(強化)
2 形態変化
がある。

神経細胞間で信号がやりとりされるフロー
イ 神経伝達物質が放出される。
ロ 神経伝達物質がレセプタにくっつく。
ハ チャネルが開く。
ニ Naイオンが流入する。(細胞内の電位が上昇)
ホ Kイオンが流出する。(細胞内の電位が下降)

よくみる、神経インパルスは、
細胞の外(膜)を基準電位にしたときの細胞内の電位
静止状態では、-70mV
活動状態では、-30mV(電位差は100mV)程度のインパルス(msecオーダー)

また、流失したKイオンは、
エネルギーを消費してNa-Kポンプによって交換され、元の状態にもどる。


ここまでは、一般的な話だったが、池田先生自身は持続的痛みに関して興味を持っているようだ。

・持続的痛み
刺激に対して過敏になる
ex.ホルマリンラット
ラットにホルマリンを注射して、痛み反応(舐める、痙攣など)が引いた後、
段階的に刺激を与えると、注射前よりも、刺激に反応する閾値が低下し、かつその状態が持続する。

持続的痛みに関しては、メカニズムがまだよく分かっていないらしい。
治療として行われているモルヒネの投与の効果も、はっきりとしたメカニズムはまだ分かっていない。

//刺激が連続して与えられると慣れたりするのでは?(という質問に対して)
たしかに、匂いなどは慣れが生じるが、
痛みの感覚には慣れがないというのが通例。

持続的痛みは、神経ネットワークの可塑性に原因があるというのが一般的な解釈だが、それがどのようにおこっているのかはわかっていない。(池田先生は、この辺に興味をもって研究を行っているようだ。